煙草への愛情を感じる「RAW 少女のめざめ」

「RAW 少女のめざめ」は2018年の春に公開していたフレンチ青春ホラー映画です。映画の内容はまあ置いといて、この映画には素敵な喫煙シーンが何ヶ所かあります。

ひとつは獣医学部の保健の女医が主人公のアレルギーを診察した直後に雑談しながらその場で煙草を吸うシーンですね。医者しかも女性が診察室で診断直後に煙草を吸いながら患者とお話しします。不愉快極まりないこの映画で数少ない良い人との良いコミュニケーションシーンです。人間味があり暖かい会話に煙草は不可欠。今の時代たいへん珍しいシーンとも言えます。

もうひとつは姉の怪我の件で病院にいる父子のシーンです。精神的にくたびれた状態の後、父親が娘に「吸うか」と吸っている煙草を手渡します。娘はそれを受け取り続きで吸いますね。緊張を緩和させる煙草の紫煙は精神安定剤でもあります。また、一本の煙草は親子の愛情も再確認させてくれます。たいへん素晴らしい喫煙シーンでした。

「RAW 少女のめざめ」にはそう多くの喫煙シーンがあるわけではありません。ですが煙草の素晴らしい効用を表現したシーンでありまして、ただの喫煙シーンとは訳が違います。「これは、わざとだな」と見ていて思いました。

こんな良い喫煙シーンを撮る監督はきっと煙草についての思想部長的人間に相違ありません。煙草の効果を心得ているからこそのシーンであり、わざわざ敢えて入れたっぽいからそう思います。

監督のジュリア・デュクルノーは1983年生まれの若手監督で「RAW」公式サイトに素敵な写真が掲載されていました。

ジュリア・デュクルノー監督(公式サイトSS)

ほらやっぱり。こんなポーズの写真をわざわざ撮らせるなんて、ただものではありませんね。煙草の良き理解者であるのは間違いないでしょう。断然支持いたします。

というわけでジュリア・デュクルノー監督の「RAW」は公開終わってますが配信やDVDでどなたでもご覧になれます。映画はかなり個性的で、ちょっときついっすよ。そういう話は本家サイトでいずれ機会があれば。

 

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